精神疾患、知的障害の認定方法
精神の 障害認定基準(日本年金機構)では、精神の障害は、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」、「気分(感情)障害」、「症状性を含む器質性精神障害」、「てんかん」、「知的障害」、「発達障害」に区分されています。
年金事務所に相談に行くと、「受診状況等証明書」、「診断書」を渡され、医師に書いてもらってください。と言われます。間違いないのですが、やみくもに医師に依頼するのはお勧めしません。
主に、診断書の記載内容によって、日本年金機構は支給/不支給、等級を決定します。
てんかん以外については、日本年金機構は診断書を次のように見て、支給/不支給、等級を認定します。
したがって、診断書に記載すべき、また記載してほしい内容が主治医に伝わっていない状態で診断書作成を依頼するのは非常に危険です。
日本年金機構が診断書の記載内容から、等級判定する方法については、次のガイドラインに沿って行われています。
精神の診断書で最も重要な記載内容は、「日常生活能力の判定」であり、次の7項目があります。
- 適切な食事 配膳などの準備も含めて適当量をバランスよくとることがほぼできるか?
- 身辺の清潔保持 洗面、洗髪、入浴等の身体の清潔保持や着替え等ができるか? 自室の清掃や片付けができるか?
- 金銭管理と買物 金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる。また、一人で買物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるか?
- 通院と服薬 規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるか?
- 他人との意思伝達及び対人関係 他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるか?
- 身辺の安全保持及び危機対応 事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるか?
- 社会性 銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が可能か?また、社会生活に必要な手続きが行えるか?
まず、「日常生活の程度」の評価及び「日常生活能力の判定」の評価の組み合わせ」で、下表より支給/不支給、等級の目安が決められます。
障害等級の目安
《表の見方》
- 「程度」は、診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」の5段階評価を指す。
- 「判定平均」は、診断書の記載項目である「日常生活能力の判定」の4段階評価について、程度の軽いほうから1~4の数値に置き換え、その平均を算出したものである。
- 表内の「3級」は、障害基礎年金を認定する場合には「2級非該当」と置き換えることとする。
《留意事項》
障害等級の目安は総合評価時の参考とするが、個々の等級判定は、診断書等に記載される他の要素も含めて総合的に評価されるものであり、目安と異なる認定結果となることもあり得ることに留意して用いること。
前項の「障害等級の目安」を参考に、下記要素を考慮され、総合的に判定されます。
(1)現在の病状又は状態像
精神障害については、症状の経過、予後の見通しが考慮される。
(2)療養状況
薬物治療を行っている場合は、その目的、内容が考慮される。
(3)生活環境
家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無が考慮される。
(4)就労状況
労働に従事していることをもって、直ちに日常生活が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況が考慮される。
したがって、上記診断書の記載内容は主治医に十分に伝えて診断書作成を依頼(診断書作成依頼書)する必要があります。上記診断書の記載内容を十分伝えずに、診断書作成をしてもらい、そのまま裁定請求手続きをするとどうなるでしょうか?日本年金機構としては不十分な情報から、支給/不支給を決定せざるをえないことになり、実態にあった結果とならない場合がでてきます。