発達障害

他の社労士に無理と言われて、1級を取得した事例(眼の障害、発達障害)

更新 2024/1/9

1.経緯

その方(50代男性)は、小学生から、眼が悪く、黒板の文字もよく見えず、また中心部の視野が欠けているため、紙に書かれた直線に沿って、はさみで紙を切ることができなかったとのことです。
視力測定では、指示棒で「C」の字を指されても、どこを指しているかわからず、視力は正確に測定できなかったとのことです。
同時に、同級生とのコミュニケーションもうまくとれませんでした。
眼の悪さ、コミュニケーションの苦手さ両者が相乗要因となり、同級生、先生からいじめられ、父親からも虐待がありました。
小学生の時に、眼科で長期間検査があり、珍しい疾患「先天性停止性夜盲」と診断されました。
就職後も、書類を読みづらいため、仕事は遅く、ミスが多く、叱られ、「ミスが多いのは眼が悪いせい」と説明しても、誰も理解してくれず、解雇、転職続きで、人間不信になり、精神科にも通院するようになりました。
一般企業は難しく、就労継続支援A型やB型で勤務するようになりましたが、そこでも人間が怖くなり、ひきこもりになり、近所のコンビニでの食料調達や精神科への通院もできなくなりました。やむをえず、訪問診療を受けることになりました。

 

2.無料相談~眼の障害+精神障害の併合で、障害基礎年金1級決定

その方は、眼の疾患と発達障害、不安障害をお持ちの方で、他の社労士に相談したところ、「障害年金は無理」と言われ、当事務所に相談がありました。

障害認定基準(眼の障害)5ページ

障害認定基準(発達障害)61ページ
ご自宅近くの喫茶店でお話を伺ったところ、1時間ほどで声が出なくなり、ヒアリングは中断となりました。
その後、メールでヒアリングの継続を試みましたが、レスポンスはよくありませんでした。 
私がヒアリングの際、子供の頃からの眼の障害、精神面のことを細かく聞き、昔同級生、先生から受けたいじめ、父親からの虐待のトラウマがよみがえり、声が出なくなり、就労継続支援B型への通所もできなくなったとのことでした。
当人にあまり負担をかけないように、時間をかけて、じっくりメールでヒアリングを続けると、眼と精神の大量の医療機関の治療歴があり、また医療機関名、受診時期について本人が忘れていることも多く、病歴の調査にかなり時間がかかりました。
眼の診断書を現在受診中の眼科で書いてもらい、病名を見たところ、愕然としました。病名が5個あったのです。
1.先天性停止性夜盲

2.眼球振盪

3.網脈絡膜萎縮

4.黄斑変性

5.糖尿病網膜症

それぞれ、先天性疾患(小学生初診)もあれば、後天的な疾患もあります。
後天的な疾患については、ひとつずつ、初診医療機関の調査、初診証明の取得をしなければなりませんでした。
眼の複数の疾患、精神疾患、それぞれ、調査、書類の作成の依頼が必要になり、通常の方の3~4倍の作業量があったと思います。
診断書は眼と精神の2通、病歴就労状況等申立書は、精神1種類、眼は先天性の疾患1種、後天性の疾患2種を準備し、裁定請求をしました。
その結果、眼2級、精神2級の併合1級を取得できました。

併合等認定基準

当初は、ヒアリングが重荷となり、仕事に行けなくなるほどのプレッシャーとなり、その方にご迷惑をかけましたが、お礼メールをいただき、大変うれしかったので、紹介させていただきます。(原文のままです。)
「それから、もしもし 余計なお世話ならすみません。私の目の件は 書いて頂いた方が 依頼される方が増えると思います。
他の社労士さんは 話を聞いただけで 難病扱いにもかかわらず数字だけ見て ダメ出しされましたから。 ありがとうございました。」

 


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