制度間の矛盾
障害年金請求の難しい要因のひとつに、制度間の矛盾があります。
障害年金の請求時、初診日の証明が必須となります。
初診日の証明が必要な理由は、
1.請求先制度の確定(国民年金、厚生年金、共済年金)
2.保険料納付要件を満たすかどうかの判定
3.過去に遡って請求(遡及請求)できるかの判定
の、3点に必要な情報だからです。
緩やかに進行した病気の場合、初診日を証明するのが大変な場合が多いです。
若い頃発症し、当初は軽度であった、又は障害年金の制度を知らなかった、
などで、30年程度経過して、初めて障害年金を請求するケースがあります。
そのような場合、30年前の初診証明を病院にしてもらう必要がありますが、
既に診療録(カルテ)が廃棄されており、証明できないと断られる場合が
あります。
医師法では、診療録(カルテ)の保存義務は5年となっているためです。
障害年金の制度と医師法の制度の間の矛盾が、このようなケースの請求手続きを
難しくしています。
診療録(カルテ)が廃棄されている場合は、一般に証明を得るためにかなり
大変な調査、手続きが必要になります。