統合失調症:10年ぶりの再挑戦で2級が認められた事例(岐阜・名古屋周辺域)
1.病歴
その方は14年程前、ご主人と不仲になり、不眠、希死念慮も出てきて、精神科を受診しました。
その後も記憶力が落ちたり、家事ができなくなっても、ご主人は病気への理解はなく、怒鳴られ、症状はますます悪化しました。
妄想、幻聴、幻覚の症状も現れるようになり、統合失調症と診断されました。
2.無料相談~裁定請求~障害基礎年金2級受給決定
その方は岐阜・名古屋周辺域の障害年金申請に詳しい社労士をインターネットで調べ、私に無料相談の電話がありました。
ご自宅近くのファミレスでの打ち合わせを提案しましたが、他人に見られるのは嫌だということで、それほど近くではありませんが、時間をかけて弊事務所を訪問されました。
14年程前の発病から、現在までの病歴、通院歴を伺いました。
10年程前にご自分で、障害年金の申請をして、不支給とされたとのことでした。
5年程前から就労はできなくなりました。
最近、物忘れが激しくなり、家事も満足にできず、統合失調症特有の症状(妄想、幻聴、幻覚)もあり、とても自分で申請できないので、再度の申請をお願いしたいということでした。
いろいろ熱心にお話いただきましたが、コミュニケーションにも問題があり、込み入った話になると、何度も何度も同じ話の繰り返しになり、なかなか話が前に進まないといったことはありましたが、時間をかけてゆっくり話を伺いました。
10年程前に裁定請求したときの書類一式コピーも年金事務所に取り寄せてもらいました。
ご本人の申請書類の文字は、現在の話しぶりからは想像できないほど、きれいな文字と文章であり、本来は聡明な方であったことがうかがえましたが、10年の歳月で統合失調症が悪化し、今では当時のような文章の作成は難しく思われました。
日本年金機構の「障害認定基準 精神の障害」は、統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」、「気分(感情)障害」、「症状性を含む器質性精神障害」、「てんかん」、「知的障害」、「発達障害」に区分され、区分毎に例示が示されています。
統合失調症2級の例示には、「残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの」と記載されています。
それらの例示内容が実際の症状にあてはまるのであれば、その内容をしっかり診断書に盛り込んでもらう必要があります。
それに留意し、現在通院中の医療機関に診断書を作成していただいたところ、少し記載不足の部分があり、根拠を示し、医療機関に修正をお願いしたところ、快く修正に応じていただけました。
傷病名:統合失調症で、年金事務所で裁定請求手続きを行い、障害基礎年金2級が認められました。
「久納さんにお願いして良かったです。ありがとうございます。次回更新も宜しくお願いします。」と、10年ぶりの再挑戦での障害年金受給決定を喜んでおられました。