7月 2nd, 2016

うつ病で障害基礎年金2級(遡及 20歳前障害)が決定(岐阜、名古屋周辺域の実績)

2016/07/02 うつ病

岐阜、名古屋周辺域にお住いの方の障害基礎年金2級の実績です。

その方(女性)は、中学生の頃から人間関係がうまくいかず、生徒、先生にも
いじめられ、不登校になりました。
食事、洗面、風呂、買い物、外出、就寝、文章の理解、など日常生活すべて母親の
援助が必要でした。自傷行為、妄想も多くあり、重い障害をお持ちでした。
母親の援助で何とか大学を卒業し、就職したものの、いじめなどで長続きせず、
現在は、母親送迎でかろうじて簡単なアルバイトをこなしていました。

私に相談があり、ヒアリングさせていただいたときは、理路整然と病歴の話を
され、一見とても重い障害をお持ちの方のようには見えませんでした。
ただ、ご本人の対面のヒアリングは、最初の1回のみで、後は外出できず、お母様に
バトンタッチされ、ヒアリングを継続しました。
そのため、本人しかわからない点、母親の視点で見ないとわからない点、それぞれ
しっかり把握することができ、細部にわたり病状、病歴をまとめあげることが
できました。
医師も、お渡しした資料を参考にしていただけ、ほぼ実態にあった診断書を作成
いただけました。

先日お母様より、障害基礎年金2級(遡及)の支給決定があったと連絡があり、
本人、お母様共に、大変喜んでいらっしゃいました。
「遡及」は過去5年分の年金が遡って支給されるため、最初にかなり高額な年金が
支給されます。
お母様は、10年以上毎日24時間彼女の介護をしてきました。
お母様より多くの苦労話を伺っており、今までのご苦労が多少でも報われたような
気がして、私も本当にうれしく思いました。

今病歴就労状況等申立書を読み返してみても、日常生活の光景が非常にリアルに
目に浮かぶような記録になっています。
それは、本人の心の叫びとも言えるような自己申告と、長年介護してきた母親の
苦労された実体験の報告がミックスされているからだと思います。

障害年金制度は、障害の病名や症状ではなく、日常生活の困難さが主な認定基準と
なる、非常に人間味のある素晴らしい制度です。
しかし、障害年金の認定を行う行政は、日常生活の困難さを我々が提出した書類
から読み取るしか術がありません。
今回の請求代理を通じて、社会保険労務士は、日常生活の光景がリアルに目に
浮かぶような文章(申立書)で、行政に訴えることの大切さを再認識致しました。