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伝言ゲーム

障害年金請求の難しい要因のひとつに、書類審査であることがあります。

請求書類の中で最も重要な書類は、医師が作成する診断書です。
しかし、医師は障害者の日常生活を自分の目で見ているわけではありません。
請求者が、現時点の日常生活活動能力及び労働能力を医師に伝え、医師が診断書に
記載し、その書類を行政が見て、障害の認定を行います。

請求者本人が医師と信頼関係が構築されていない場合、請求者本人の実情が正確に
医師に伝わりません。
また、(一般には)障害年金に詳しくない医師が診断書を書く場合、記載欄に
書くべき的確な表現となっていないことが少なくありません。

かくして、現時点の日常生活活動能力及び労働能力は、請求者本人⇒医師⇒行政
とあたかも伝言ゲームのように歪んで伝わります。
そのように書かれた書類を見て、行政は障害認定の判断を行います。
行政は、日常生活にいくら辛い状況があったとしても、記載された以上の事を読み
取ることはできません。

実際は同程度の障害であっても、認定に差が生じてしまうのは、以上のようなことが
要因のひとつになっています。


グレーゾーン

障害(基礎・厚生)年金の請求は難しいと言われています。
また、障害基礎年金に於いては、都道府県によって支給/不支給の認定に差があると
言われています。

障害年金請求の難しい要因のひとつに、老齢年金、遺族年金には存在しない、
「グレーゾーン」の存在があります。
障害認定に当っての基本的事項として、障害等級毎に次のように定められています。

1級:身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を
弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。
2級:身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が
著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする
程度のものとする。
3級:労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要と
する程度のものとする。

障害年金は、上記のような労働能力や生活能力の低下具合に応じて、生活の安定が
損なわれることがないように支給される素晴らしい制度です。

反面、上記のような抽象的な表現から、労働能力や生活能力の低下具合の明確な線引き
をするのは困難であり、「グレーゾーン」が存在してしまうことになります。
(具体的な認定基準は、基本的事項をベースに詳細に定められていますが、やはり
完全な線引きは困難です。)

したがって、「グレーゾーン」の中にいる場合には、請求書類に労働能力や生活能力の
低下状況をいかに盛り込むかによって、同程度の障害であっても認定に差が生じること
になります。


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