困難事例の対応方法
1.諦めやすいケース、困難に陥るケース
今迄多くの相談を受け、諦めやすいケース、困難に陥るケースは次のケースが多いようです。
- 年金事務所に行って、「障害年金の申請をしたい」と言って相談すると、、初診日からの病歴を聞かれます。
「初診日の保険料納付要件は満たされないので、障害年金はもらえません。」
→ 諦めてしまう。 - 年金事務所に行って、「障害年金の請求はできますので、ここに書いてある資料をそろえて、提出してください。」
→ 案内された資料さえ、そろえて提出すればいいんだと思ってしまい、案内された書類のみを頑張って揃えて、申請したが通らなかった。 - 社会保険労務士事務所等に相談して、「あなたは無理」と言われる。
→諦めてしまう。
2.当事務所の対応事例
年金事務所で、 「初診日の保険料納付要件は満たされないので、障害年金はもらえません。」 と言われたり、社会保険労務士事務所で相談して、「あなたは無理」と言われても、相談を受け、無事受給決定した事例が多くあります。
年金事務所で案内される提出資料は最低限必要な資料です。
初診日困難事例、社会的治癒を使った方がいい場合等、障害の程度が比較的軽い場合等は、プラスアルファの書類をつけた方が、受給可能性が格段に上がります。しかし、何でもかんでも添付すればいいというものではなく、弱い部分を効果的に補強するものでないと意味がありません。
3.初診日困難事例
障害年金は、初診日がいつかというのが重要です。初診日によって、保険料納付要件を満たすかどうか、満たす場合厚生年金加入時期か国民年金加入時期かが決まるためです。日本年金機構は厳格に審査します。初診の医療機関にカルテが残っている場合は、問題ありませんが、5年以上経過していて、カルテが残っていない場合は、さまざまな代替方法をかき集め、合わせ技で初診日の証明をしなければなりません。
4.社会的治癒とは
前の傷病から数年経過して再発(再燃)した場合でも、それまで特段の療養もなく通常の日常生活が送れていた場合、再発後に受診した日を障害年金の初診日とする考え方です。社会的治癒期間が概ね5年以上あれば、再発後に受診した日を障害年金の初診日とすることができる可能性があります。したがって、特段の療養もなく通常の日常生活が送れていた証拠をなるべく多く示すことが必要です。医療機関にかかっていない期間が概ね5年以上あれば、必ず社会的治癒が認められるわけではないことに留意が必要です。
5.障害の程度が比較的軽い場合
精神障害の場合、働いていると障害年金をもらえなくなるということをよく聞きます。
厚生労働省から、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が示されており、就労に関して、「労働に従事していることをもって、 直ちに日常生活能力が向上したものと 捉えず、現に労働に従事している者に ついては、その療養状況を考慮すると ともに、仕事の種類、内容、就労状況、 仕事場で受けている援助の内容、他の 従業員との意思疎通の状況などを十分 確認したうえで日常生活能力を判断する。」と案内されています。
よくこのガイドラインをサイトで探し出し、「厚生労働省は、就労は問題ない、と言っている」と聞くことがありますが、認識は大間違いです。
少しでも就労していたならば、仕事の種類、内容、就労状況、 仕事場で受けている援助の内容、他の 従業員との意思疎通の状況などをさまざまな資料で証明しなければ、就労を根拠に不支給とされる可能性があるとお考え下さい。