肢体障害の障害年金は失敗が
許されない理由
肢体障害には、例えば次のような障害があります。
肢体障害の障害年金は、精神障害、臓器障害、等と異なり、失敗が許されません。
肢体障害の障害年金は失敗が許されない理由を理解するためには、まず肢体の障害年金の等級認定がどのようになされるかの理解が必要になります。日本年金機構では、肢体の認定基準を次のように定めています。
肢体の 障害認定基準(日本年金機構)
肢体障害は、肢体の診断書の中でも、「関節可動域及び筋力」の項目と「日常生活における動作の障害の程度」の項目の評価が特に大切です。これらの記載項目等が、上記の「肢体の認定基準(日本年金機構)」に照らして評価され、障害年金1~3級、3級非該当が決定されます。「関節可動域及び筋力」は、肢体の障害関係の測定方法で、測定方法が決められているため、医師による記載ばらつきは大きくありません。しかし、問題は「日常生活における動作の障害の程度」です。
これは、「つまむ」、「ズボンの着脱」、「片足で立つ」、「階段を上る」など22項目ありますが、医師による記載ばらつきは非常に大きいです。
なぜ、ばらつきが大きくなるのでしょうか?それは、上記「肢体の障害関係の測定方法」のような、評価基準が示されていないのが大きな要因かと思います。過去に、「階段を這ってでも上れれば、何とか上れるという評価になるんだ」とおっしゃった医師もいました。(その医師を責めることはできません。何しろ明確な評価基準がないわけですから。)
その結果、同様の車椅子生活の方でも、障害年金1級と3級のばらつきが出てしまいます。
これは、非常に大きい問題ですが、実は肢体障害にはそれ以上に大きな問題があります。
肢体の場合、初回で、実態に合っていない診断書で申請を行うと、やり直しが効きません。(悪化しても廃用性という理由でほぼ認められないからです。)
したがって、肢体障害だけは最初から社労士の活用をお勧めします。
一度、実態に合っていない診断書で申請を行い、不支給となった後、社労士にご相談いただいても、(残念ですが)同様です。